
2025年9月に西川中学校の生徒向けに開催された特別授業の様子(講師:窪田望)
クリエイターズネクストと山形県西川町は、8月3日(月)より、西川中学校の有志生徒を対象とした探究型学習(PBL)プログラム「AIの知らない西川町を探せ 一推しから始まる、中学生参加型AI謎解きプロジェクトー」を全4回で実施する。
同プログラムは、2027年春に公開予定の「AI謎解きゲーム」の企画・制作プロセスに地元中学生が参加する産学官連携PBLの取り組みである。
中学生が挑むAI謎解き制作PBL
同プロジェクトは、官民連携で進めてきた謎解きゲームの制作プロセスそのものを地域に開放し、中学生が制作の当事者として参加する、全国的にも例の少ないPBLである。
生徒たちが調査するのは、インターネット検索では出てこない西川町の魅力。“推しスポット”を探し出すため、生徒たちは実際に町の各所に足を運び、町民へのインタビューなどを実施する。

西川町には、まだほとんど知られていない魅力的なスポットが多数存在している
この取り組みは、ガイドブックやネットで調べた名所や景色を確認するような「答え合わせ」の旅ではなく、実際に訪れたからこそ体験できる驚きや感動を重視する西川町の観光方針を反映したものだ。
初回授業となる8月3日(月)には、菅野大志町長より中学生たちにプロジェクトの意義と期待を直接語りかけ、ミッションを依頼。クリエイターズネクストの代表取締役・窪田望氏によるオリエンテーション、生徒たちが持ち寄った推しスポットを共有する検討会議、AI「ムムモ」の活用レクチャーも実施。
10日(月)には、各推しスポットに出向き、魅力を深掘りする町民インタビューを実施。11日(火)は、魅力を言葉にする練習会で、集めた情報を編集、推しの本質を本質を一文で表現するとともに、相手に応じたプレゼンテーションを学ぶ。
19日(水)には、生徒たちが町長や謎解きの企画・制作を担当するクリエイターズネクストに成果をプレゼンテーションする。そこで候補として挙げられた内容は、実際に公開される謎解きゲームの題材として実装される予定である。
答えを教えないAI「ムムモ」を試験導入

教育用AI「ムムモ」のインターフェース。親しみやすいキャラクター・ムムモが自律的に考える支援をする
同プロジェクトでは、クリエイターズネクストが開発した教育用AI「ムムモ」を試験導入する。

ムムモを育てたり、着せ替えをするなど、子どもたちが楽しみながら活用する仕掛けも実装されている
「ムムモ」は、ソクラテス式問答法を応用し、答えを直接与える代わりに「なぜ?」という問いを重ねることで、生徒が自らの言葉で考えをまとめられるよう伴走するAIである。プロジェクト期間中、生徒たちは課題に取り組む際にこのAIを自由に活用できる。
制作プロセスを地域に開く新たな試み
西川町とクリエイターズネクストは、2022年6月14日に包括連携協定を締結し、地域振興を目的としたAI謎解きゲームを開発してきた。

「古文書の謎と月読の宝」のキービジュアルと謎解きゲームを楽しむ参加者の様子
これまでに公開された第1弾「古文書の謎と月読の宝」(2023年)と第2弾「不死の秘法と神代の暗号」(2024年)は、2作で累計参加者8,716名、推定経済波及効果約3億6,000万円を記録。2026年4月からは声優・岡本信彦氏が出演する第4弾も開催中である。
2027年春に公開予定の第5弾では、この制作プロセスそのものを地域に開き、“町の魅力を掘り起こし、コンテンツに変える”という一連の工程を、制作会社だけでなく町民や中学生と共に創り上げる形へアップデートする。今回のプロジェクトを通じて、町民である中学生自身のシビックプライド(地域への誇り)を醸成することも目的としている。
講師プロフィール

講師はクリエイターズネクスト代表取締役の窪田望氏が務める。米国NY州生まれ、慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学在学中にクリエイターズネクストを起業。自身で取得した20件のAI特許を活用した事業を進める傍ら、現代美術家としても活動している。
AIとの対話や地域での現地調査を通して、中学生たちが自らの言葉で西川町の新たな魅力を掘り起こしていく産学官連携PBLの今後に期待したい。
■「AIの知らない西川町を探せ 一推しから始まる、中学生参加型AI謎解きプロジェクトー」
開催日:8月3日(月)、10日(月)、11日(火)、19日(水)
会場:にしかわイノベーションハブTRAS
住所:山形県西村山郡西川町間沢300-1
クリエイターズネクスト公式HP:https://cnxt.jp
(Kanako Aida)